書籍

明るさと貧しさ——『陰翳礼讃』を読む

夜、白い均質な光が部屋の隅々まで届いている。暗さはどこにもない。便利で効率がいい。ただ、この明るさを自分で選んだ覚えがない。気がつけば部屋は明るいものと決まっていて、暗さは解消すべき問題になっていた。谷崎潤一郎『陰翳礼讃』は、その決まりごとがまだ新しかった頃に書かれた。昭和八年か...
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読み終えた、という未読——『読んでいない本について堂々と語る方法』

『読んでいない本について堂々と語る方法』この本は一度、最後まで読んだ。時間が経って、内容の多くはもう頭にない。トピックの内容を覚えていても文章についての記憶は全くない。記事を書くなら読み直すべきだろうか。ちゃんと読んでから語るという無意味な衝動こそ、この本のテーマの一つである。ピ...